加藤実秋の「インディゴの夜」
加藤実秋の短編集「インディゴの夜」を読了。
この作品は,渋谷のホストクラブ「Club Indigo」のホスト達と経営者コンビが活躍するミステリーです。経営者は大手出版社の中年はみ出し編集者とアラフォーの女性フリーライターコンビ。ホストクラブは彼らの裏の稼業というわけです。
若者の街「渋谷」を舞台に,経営者コンビと「Club Indigo」を実質的に取り仕切る頼りになるマネージャー,憂夜さんの指揮の下,20代の個性溢れるホストたちが自分たちに降り掛かる事件の謎を追いかけます。
ガチガチの謎解きを主眼とした作品集ではありませんが,事件の真相に関する謎的興味もほどほどにあり,各キャラクターが生き生きと渋谷の街を動き回る様はなかなか魅力的です。
ホストの探偵団と聞いて,はじめはもっとコメディタッチの作品なのかと思って読み始めたのですが,どうしてどうして思ったよりシリアスな作品集です。
「インディゴの夜」シリーズは今のところ創元推理文庫から4冊出ており,早速あとの3冊を買い込んでしまいました。
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