イギリスへ行ってきました(5)〜ダートムーア紀行(その1)
さて前回は,デボン州Widecombe in the Moor村への玄関口であるNewton Abbot駅でB&Bのご一家4人の歓迎を受け,2台の車に分乗して駅を出発したところまででした。
B&Bには事前にメールで,宿泊とは別に,ダートムーアの観光案内を頼んでいました。イギリス人であるご主人がダートムーアの観光ガイドをされているのです。翌日は雨がちであるとの事で,「お疲れかもしれないが今日中に屋外のめぼしいところを回ってしまいましょう」ということになり,まずはトーア(tor)という小さな岩山がある場所に案内してもらいました。駐車場もあり,観光名所になっている様です。つまりは典型的なダートムーアの風景というところでしょうか。この岩山,ダートムーアのtorというと必ず名前が出てくるHaytor Rocksという有名な岩らしいです。写真が小さくてよく分からないと思いますが,岩のてっぺんに4人の人影が見えています。これはB&Bの高校生兄弟とウチの娘2人です。我々年寄りはというと,隣の低いトーアに登ってお茶を濁しました。
ダートムーアの事を形容して,「荒野」だとか「トーア(岩山)が点在する荒涼とした風景」というような言われ方をされていますが,実際は緑の原野に紫色のヒースや黄色のハリエニシダが咲く丘陵地帯で(なにしろ訪れたのが夏だったので),そこに野生の馬や羊(羊は一応誰かの持ち物になっているそうで,背中に色がつけられ,区別されています)がゆっくりと草を食んでいる所であって,私の感覚では荒野というものではありません。荒野というと,緑の無い茶色の土と灰色の岩の原野をイメージしてしまうのですが,決してそのような所ではないのです。昔からの石垣(万里の長城の超小型版のような)が,延々と続いている場所もあります。
トーアに登って(ここで日頃の運動不足を感じてしまいましたが)見渡す限りの原野を眺めたりしてダートムーアの風景を楽しんだ後,2枚の大きな平たい岩で構成された14世紀に作られた橋を訪問。後でネットで調べたら,この橋(クラッパー橋というらしい)の写真がいくつも出てきて,有名な橋でした。
その後,細い道路際にある小さなストーンサークルを訪れました。ダートムーアには,このようなストーンサークルや列石,さらに鉄器時代の住居跡(屋根が失われ,これもストーンサークル状のもの)が多数点在しているそうで,それぞれがパワースポットになっているとの事でした。この小さなストーンサークルで,B&Bが用意してくれた2本の曲がった鉄棒を持ってダウジングを行いました。初体験の私たちでも,サークルの石積みに近づくとダウジング棒が開いて壁を感じ,サークルの中央では2本のダウジング棒がクロスして気の中心を感じました。B&Bのおかみさんによると,日本人の男性は頭が堅く,ダウジング棒も動かない事が多いとの事でしたが,私はしっかり動き,B&Bのご夫婦に感心されてしまいました。地元の高校生であるB&Bの息子さん達は,「まあ風が吹いているから棒も動くよね」と,ダウジングの効果には否定的でしたが(笑)。
そのあと,鉄器時代の村の跡に案内してもらいました。ここは巨大なストーンサークルに囲まれた場所で,その中に数十の家の跡(これも入り口を持ったストーンサークル 状になっている)が点在しています。そこを見学していたら,突然サークルの中に野生の馬が10頭程駆け込んできました。私たちは驚いて見ていましたが,B&Bの方達のよると,それはごく普通の光景であり,驚くにはあたらないという事でした。馬は私たちの方にやって来るでも無く,結構近寄っても逃げもしません。馬の後ろに回らなければ,正面から近づけば危険はないそうです。
その後,村のカフェで名物の「クリームティー」をいただきました。クリームティーは,東京で食べた事がありますが(デボン訪問の予習です),それよりもたっぷりのジャムとたっぷりのクローテッドクリームとしっかりしたスコーン(なにしろ東京でたべたスコーンは,手で持つとハラハラと崩れてしまうというものでしたからね)でした。スコーンを上下2枚に切って,そのそれぞれにクローテッドクリームとジャムをたっぷりのせて頬張ります。私が控えめにジャムとクリームをのせていたら,イギリス人であるB&Bのご主人が「more! more!」と叫びました。こちらではとにかくジャムとクリームを大量にのせて食べるのです。実際のところ,スコーンというのはポサポサしてあまり好きではないのですが,クローテッドクリームがおいしいのでしっかり全部いただきました。
私たちのダートムーア紀行はまだまだ続きますが,大分長くなったので今日はここら辺で終わりにします。続きはまた明日・・・。
−−−<追 伸>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
この2012年8月末につづいて,2013年2月末にも,今度は3泊4日の予定でダートムーアに出かけました。
その時の事を,「再度,イギリスに行ってきました」という記事にまとめました。
−−−<さらに追伸>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
2013年5月のゴールデンウィーク明けに,ダートムーアでお世話になったB&Bのご夫妻が日本にやってきました。私達夫婦もカミさんの実家のある長野市を案内しました。その時の様子を,「ダートムーアから客人がやってきた」という記事にまとめました。
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