柄刀一の短編集「時を巡る肖像」
柄刀一の短編集「時を巡る肖像」は,絵画修復士,御倉瞬介が,その仕事上の活動の中で出会った事件を解決するシリーズです。絵画修復の仕事上の事件ですから,当然絵画に関係する事件が多いのです。絵画の描かれている内容に言及される事も多く,ネット検索で絵画をパソコンやiPhoneの画面に出しながら読んでいます。
以前紹介した天地龍之介シリーズの軽いコメディータッチとは違い,かなりシリアスに描かれています。しかし内容はまぎれもない本格推理小説です。不可能犯罪的な事件も多く,謎的興味もいっぱいですが,話のシリアスさが謎的興味を減じているところがあるように感じます。まあミステリーというのは,やはりエンターテインメントとして,軽いコメディータッチが合っているのかもしれません。
このシリーズ,現在までに3冊の短編集にまとめられていますが,Kindle storeにはそのうちの2冊が販売されています。すでに文庫本化された2冊が電子書籍になっているのです。もう一冊の電子書籍化は文庫本化された後になるのかな。
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