東川篤哉「完全犯罪に猫は何匹必要か?」
今をときめく「謎解きはディナーのあとで」の推理作家,東川篤哉の烏賊川市シリーズの第三作「完全犯罪に猫は何匹必要か?」を読みました。
これまで同氏の作品についてこのブログでもいくつか感想を書いてきましたが,「謎解きはディナーのあとで」を含めて,犯人が誰でも読者としては気にならないという作品が多かったのです。この作品でも同じ傾向にあるのですが,10年前の事件と現在の事件の関係,事件現場に置かれた巨大な招き猫の意味,被害者が味噌汁まみれであった意味,午前二時前後の一瞬の招き猫不在の謎・・・等々,謎がいくつもあり,しかも各々の謎がなかなか複雑に絡み合い,ユーモアミステリーとして最後まで面白く読めました。
ユーモアミステリーという範疇に入る作品ですが,作品の骨格の部分では相変わらずしっかり「本格推理」していました。
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