3Dプリンタって,第三の産業革命を起こす程のものなのかしら?
先日テレビを見ていたら,3Dプリンタでのもの作りを,第三の産業革命と言っていました。
確かにこれまでの作り方ではないし,個人的にはたいへん興味深いのですが,それほどの物かと思ってしまうんですよね。
少量生産に向いていますが,そのような物はあまり産業のメインストリームになりにくいし,せいぜい個人的なベンチャーが,なにか樹脂製の小物を作る道具に使うくらいしか私には使用法のアイデアがありません。先日のテレビ番組では,オバマ大統領が現れ,3Dプリンターを使用した産業醸成に多額の費用を使うと言っていたのですが,それで一体どんなアイデアが出てくるのか,楽しみではあります。
これからは大量生産品ではなく,個人個人の好みに合わせてカスタマイズして行く時代で,そんな製品を作るのにうってつけの製造法だという話があります。しかしテレビやパソコンやiPhoneを,それ程個人的な趣味に合わせた形態であって欲しいとは思わないし,せいぜい趣味に合わせるのはiPhoneのケースくらいのもので,そんなものは産業のメインストリームにはなり得ません。カスタマイズといえば車のカスタマイズ需要というのもあって,専門の業者がいるのですが,一部の人達の趣味の範囲に留まっていて,多くの人が利用したいと思っているものではありません。カスタマイズ需要というのも,せいぜいその程度のものではないのかと思います。それとも,安くできれば,たくさん需要があるというものなのでしょうか?
大きな物の中の小さな部品は,3Dプリンタで作る様になっていくかもしれません。圧倒的に安く小さい3Dプリンタという製造装置を多数使えば,1台のプリンタで少量しかできなくても,大量生産が可能になります。小物については,生産設備を含めて,圧倒的に安い生産方法になる可能性がありますから,侮れない事は確かです。
3Dプリンタは案外古い技術ですが,しかし面白い技術ではあり,それを使って何かをやりたいと思うような夢のある技術だと思います。しかし産業革命と言える程産業にインパクトを与えるのかどうか,疑問に思っています。個人用3Dプリンターが行き渡って,ちょっとした物を個人的に作ってしまうという時代がくれば,むしろ産業としての製造業が衰退して行くのではないかとも思います。そんな時代には,ちょっとした小物の3Dデータが販売され,それを個人的に手直しして物作りに使うという事になるのでしょうか。そんな3Dデータ販売産業ができるのかもしれません。
使用できる材料に金属が加われば,また違った状況が生まれるかもしれません。なにか産業革命といえるほどの革新的な使用方法が出てくればいいのですがね。
(上の写真は,ヨドバシカメラのHPから拝借しました。・・・と言う事は,ヨドバシで売っている3Dプリンターです。764万円余りの機種です。当たり前ですが,ポイントが76万円分付くそうです。76万円もポイントが付いたら,何を買おうか?)
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