美白化粧品の白班問題と「昭和史」の関係
カネボウ化粧品の美白化粧品による白班問題は,白班被害者が1万人にも届きそうな勢いですが,外部弁護士による第三者調査報告書がまとまりました。
報告書では,2010年9月に大学病院から白班と化粧品の因果関係の指摘があった時点で対策を講じるべきだった事,2013年7月の自主回収まで10ヶ月かかり,5月の問題把握から自主回収まで2ヶ月かかった事などを指摘しています。
カネボウによる意図的な隠蔽はなかった様ですが,都合の悪い事は無視しようとする態度が問題だとしています。
この「都合の悪い事は無視しようとする態度」というのは,以前本で読んだ覚えがあります。先日このブログで紹介した,半藤一利氏の「昭和史」で読んだのです。この本の中で半藤氏は,「思い込みと,知っていながら無視して固執する気質」が日本人の欠点であり,それが日中戦争から第二次世界大戦へ続く昭和史の前半を占める戦争拡大の歴史を作っていったと言っています。多分多くの人が学校で昭和史を習った事がないと思うのですが,日本人は自分の欠点を知る為にも,昭和史を勉強するべきだという事です。
そんな日本人の欠点が,この美白問題でも表れたという事なんですね。
美白化粧品による白班発生については,別のメーカーの美白化粧品でも白班発症が確認されたり,用法よりも多量に使用した人の発症が多い事が囁かれているなど,まだまだ状況が変化しそうです。
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