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2013/10/31

「小酒井不木傑作選」を読んだ・・・・・ではなくて,読んでいます

Kosakai_fuboku

 小酒井不木(こさかいふぼく)は明治末期の生まれ,大正時代~昭和初期に推理作家として活躍した人です。実際のところ推理作家は裏の稼業であり,表の稼業は東北帝大の助教授(教授就任の辞令を受けたが,病気のため辞退)の医学博士です。病弱で,39歳で亡くなっています。
 小説の創作の他,海外の探偵小説の翻訳にも努めています。早逝しましたが,当時の有名な探偵小説誌「新青年」などの探偵雑誌に多くの作品を発表しています。
 小酒井不木の名は,探偵小説好きだった私の父が持っていた「宝石」や江戸川乱歩の評論集「幻影城」などの本で昔から知っていました。しかしその作品を読む機会はなかったのです。
 しかし小酒井の作品は現在,amazonのKindle storeで,無料で入手できます。青空文庫に収録されているからです。でも私が読んだのは,この青空文庫版の小酒井の作品群を一冊にまとめ,作品に飛んでいく目次をつけたアマゾン版です。青空文庫では,短編も全て1作品一冊になっていますから,Kindle storeから何十冊もの作品をいちいちダウンロードしなくてはなりませんが,アマゾン版では一冊になっていますから,一回のダウンロードで済むのです。そのかわり,100円の本代がかかります。
 そんなアマゾン版小酒井不木傑作選は,41編の短編,ジュブナイル探偵小説12編,「江戸川氏と私」「ポオとルヴェル」「科学的研究と探偵小説」などの評論・随筆9編を集めた膨大な物で,紙の本にしたら,広辞苑くらいの厚さになるのではないでしょうか。実は私は既に2週間に渡って読み続けていますが,まだ半分しか読み終わっていません。
 医学博士らしく,医学に取材した作品が多く見受けられます。探偵小説といっても,現代の本格派とはまた違った,不思議な魅力のある作品群です。作品の時代背景が何しろ大正時代ですから,その風俗,雰囲気からして現代と異なり,それだけでもむしろファンタジーに近い雰囲気が感じられます。それでいて大部分の作品は,どんなに奇怪な状況を描いても,医学に根ざした科学的な解決が与えられています。
 2週間も読み続けていれば,もういい加減飽きてもいい頃ですが,飽きずに読み続けている・・・・・,そんな作品集です。

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