ネット上の意見の傾向〜特定秘密保護法案に対する意見を見ると・・・
以前, 一般世論とネット世論の違いについて書いた事がありますが,今回の特定秘密保護法案に対する世論についても,一般世論とネット世論の違いが際立っているようです。
一般世論については,共同通信社の法案成立後のアンケート調査によれば,修正必要という意見54.1%に上り,廃止を望む意見の28.2%を加えると,今回の法案に否定的な意見が82.3%になります。このままの施行を望む賛成意見は9.4%だったとの事です。
ところが成立前のJ-CASTニュースアンケートでは55%が法案に賛成,ニコ動のドワンゴのアンケートでも36.6%が賛成意見となり,否定的な意見よりも多い割合を示していました。
何故こんな事になったのかを考えると,「ネットでは,一般世論の大多数に対してまず反対する」という行動が見て取れます。これはネットでブログを書いている私にも大なり小なりある意識です。ネット世論はそれ自体,まず一般世論の強力な意見に反対する方向に向かう性質があると言えます。
また今回の法案については,多数の著名な文化人やジャーナリストがテレビなどで法案反対を述べていますが,それらメジャーなものにはまず反対するという傾向もある様に思います。事によったら,強力なリア充に対して反対するという事なのかもしれません。
まあ以前書いた様な川崎縦貫鉄道の例のように,一般世論が反対しているものに対してネットでは賛成意見が多いという事が,今回の特定秘密保護法案にも表われているのです。
ネット上では「理由を示さずに言い放つ」的な意見が多く見られます。ネットアンケートというのは,「理由を示さず・・・」の最たるもので,その特徴を如実に表しています。
しかし一般世論も,それ程関心を持っていない事柄について突然電話で聞かれて,ついつい多数またはマスコミの意見に流されるという事が多い様に感じます。一般世論にはそんな人々の「意見とは言えない意見」が入っているのです。ネット世論は,自発的に投票しなければなりません。その問題に関心がある人が投票しているとも言えるのです。
まあそんなわけで,一般世論の%は多数意見の方向に膨れている,ネット世論の%は,少数意見の方に膨れている,しかも今回の問題の様にマスコミや有名人がこぞって一方向の意見に傾いている時は,その双方の膨れ方が特に大きい様な気がします。
上のネット調査の広告には「みんなの本音が見えてきた」と書いてありますが,一般世論とネット世論,どちらが「みんなの本音」が見えてるんでしょうね?
| 固定リンク
コメント