「黒子のバスケ事件」の容疑者逮捕
マンガ「黒子のバスケ」を販売する本屋や関連する商品を売るコンビニなどに脅迫状を送りつけたり,作者の出身校である上智大学に毒薬を置くなど,執拗な妨害活動を行っていた容疑者が逮捕されました。監視カメラ映像からしばらく前から容疑者は特定され,脅迫状をポストに入れるその時を見計らって逮捕されたものです。
大阪に住みながら,福岡から埼玉まで,各県の郵便局から脅迫状を送ったり,上京して東京で脅迫活動を行っていた事,脅迫状にしても報道機関やイベント会場を含めて500通という執拗さ,今回逮捕する際も20通程の脅迫状を持っていた事,毒薬を置くなど,かなり実際的な脅迫活動を行っていた事など,犯人の「執拗さ」がうかがえます。
本当かどうかはこれからの捜査を待たなければなりませんが,犯行動機は「作者の成功に嫉妬したから」という事で,実に軽い動機であるのに対して,脅迫状の大量さや住所と遠く離れた東京での活動や具体的な毒薬を使用するなど,どちらかというとストーカーに近い執拗さで,ストーカー体質ともいうべき性格を感じます。
36歳だというのに「作者の成功に嫉妬した」などという理由でこのような犯罪を行えるというのは,子どもかと思える様な異様さです。出版物の販売を妨害する行為で,「表現の自由の妨害」という憲法違反を犯しているという自覚が犯人にはあるのでしょうか?
コンビニの商品撤去,書店の商品撤去,菓子メーカーの商品販売機会喪失など,方々に金銭的な損害を与えていますから,犯人は民事の損害賠償でも悩まされる事でしょう。
しかしこの犯人に対して,一つだけ「頭がいいな」と思うのは,犯行に関連してあまりネットを使っていなかった事ですね。脅迫状は郵送,毒物を置くなどによる脅迫です。ネットの匿名性というのは全くの幻想で,ネットを使ったとたんに使用した個人を特定されてしまいますし,使用したパソコンが特定されない様にネットカフェなどを使用しても,監視カメラが客の一人一人を撮影していますから,個人特定は時間の問題という場合が多いわけです。実際この犯人は「喪服の死神」と称して千葉県のネットカフェから2chに犯行予告を書き込んでおり,その時の防犯カメラ映像が一つの犯行の証拠になっていますし,実際犯人も防犯カメラ映像に似ているとして,四谷駅で職務質問にされていたそうです。
| 固定リンク
コメント