昆明で無差別テロ
3月1日,中国雲南省昆明駅で,刃物を持った10人程の集団が利用客らを無差別に襲撃し,29人が死亡,130人以上がけがをするという事件が起きました。
中国当局は,新疆ウイグル自治区の分離独立を目指す勢力による組織的なテロ事件であると言っていますが,果たしてそうなのか疑問に思います。現場に新疆ウイグル自治区を示す簡単な旗があったとはいえ,事件後あまりにも早い言動で,単に当局としてはそうであって欲しいという願望を述べたもののような気がします。新疆ウイグル自治区関連のテロというのはこれまでもありましたが,爆弾を積んだ車を政府機関の建物に突入させるなど,政府機関への攻撃が主で,一般市民をただ殺傷するだけという無差別テロなどはなかったのです。また,比較的少数民族の多い昆明の駅で無差別に殺傷事件を起こしたという事も,少数民族が起こしたテロとしてはなんだかチグハグだと思います。
中国では,新疆ウイグル自治区関連だけではなく,地方政府の汚職への反発,経済格差への不満,チベット問題など,様々な不満が噴き出しており,テロの芽はいくらでもあります。
そんな中で,簡単にウイグル独立派によるテロとは簡単には思えないのです。もし今回の事件がウイグル独立派によるものだったとしたら,独立運動が新たな様相を呈し始めたということでしょう。新疆ウイグル自治区はイスラム系住民が多いところですか,アフガニスタンや中東のイスラム過激派の様な,市民を狙った無差別テロ時代の始まりです。
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