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2014/05/06

大きなオトモダチ

Ohkina_tomodachi 最近ある大学4年生と話をしているとき,彼が「この歳になると,若い頃よりも,何かを受け入れる受け入れないの基準が下がって,受け入れる方が多くなって,反感を覚える率が減ったと思う」と話していました。
 これは私も覚えがあります。大学4年生でそう思ったかどうかは別として,ある歳になると物事を受け入れる「しきい値」が下がったと思われる事があります。もちろん急にしきい値が下がったわけではなく,歳と共に徐々に下がっていくが,ある時フトしきい値が下がっていたと気付くという物だと思います。世の中では,これを「丸くなった」などと称しています。
 それに関連して思い出したのは,2ch個人情報流出事件です。この事件ついてはこのブログでも話題にした事がありますが,30代の高学歴の管理職クラスの人々や大学の教師や作家という,ある意味社会を実質的に担っている人々が,普段とはまるで違った下品な言葉で,普段考えられないような誹謗中傷を2chで発言していた事がわかってしまったという事件です。
 前述の大学生の言葉を聞いて,「あ〜,あの2chの人たちは,しきい値が下がっていなかった人たちなんだな」と思いました。ある程度社会やマスコミで流す常識に反発を覚えているか,またはバカにしているが,その社会的な地位があるので表の顔をさらしてまでは本音の発言ができず,2chの匿名性を信じて自分たちが2chで普段バカにしているような書き込みを,自分自身でやってしまったという人たちです。
 そのような書き込みは2chだけではなく,ネットを見ると至る所に溢れています。そんな大人になりきれない人々や,そんな人々のコドモっぽい発言が横溢しているネット上の情報(特に他人の意見)を,そのまま真に受けたり,そんな意見に影響されるという事の危険性を感じます。
 匿名性が確保されている(と思っている)ネットの世界というのはある意味本音の世界で,しきい値の下がっていない大きなオトモダチのそんな意見に影響される事で,大きなオトモダチがどんどん再生産されていく危険もまた感じてしまいました。前述のように,ある意味本音の世界なのですが,見かけは悪い世界です。若い頃は「本音が大事」と思っていたのに,大きくなるにつれて(笑),この「見かけ」というのは,結構大事なモノなのだと思う様になりました。
 まあ,まるで他人事の様に「大きなオトモダチ」などと言っていますが,そんな表現を使う事事態,私が大きなオトモダチである証拠かもしれませんね。

(本日の口絵は,「大きなオトモダチ」で画像検索してでてきたものです。「大きなオトモダチ」というのは,こういうイメージなんでしょうか?)

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