パソコン遠隔操作なりすまし脅迫事件と人質司法
片山被告によるパソコン遠隔操作なりすまし脅迫事件。この事件の影響に付いて,ネットで懸念が広がっている様です。
片山被告が「罪障隠滅」,つまり片山被告(当時容疑者)を釈放すると証拠を隠滅する可能性が大きいという事で長期に渡って拘束され,否認がつづいたものの,事件が片山被告が真犯人として解決した。片山被告の自白前,この長期に渡る拘束,「人質司法」というのですが,これに非難が集まりつつあったのに,片山被告が真犯人に間違い無しという事になってしまい,この長期にわたる拘束が正当化されてしまう,という懸念です。
でも今回の事件は,そんな事件なんでしょうか? 実際「罪証隠滅の恐れ」ありとして「人質司法」が行なわれていたのは確かだとして,結局解決は「釈放」したが見張っていた為に,片山被告がマスコミ宛メールを発信してその携帯を確保した事によるわけです。「過去の罪証隠滅の恐れあり」による「人質司法」は今回の解決の役には立たず,「釈放」した後の真犯人が行なった「新たなヘマを摘発」できて,真犯人の摘発につながったのです。
つまり,今回の事件解決のキーワードは,「人質司法」ではなくて,「釈放」です。そんな事件で,「人質司法」の拡大を心配するというのは,どのような論理展開なのか,理解できません。
今回の事件は,人質司法は無駄だったというケース,他の方がおっしゃっていましたが,「ほらみろ,人質司法では解決できなかっただろう」という事件,「人質司法」を否定する材料になるケースだとしか思えません。
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