中国の多様性
中国に出張に行くと,最近特に,人々が政治に対する意見を言ったり,それが人によって違っていたりするのが目につきます。多分,以前からそうだったのでしょうが,それが隠れていた。それが表面化してきたという事なのかもしれません。何のかんのいっても,「中国は一党独裁国家,統制国家」と思い込んでいた古い意識が崩れます。
これはどうも,中国の国の運営でもそれが言える様に感じます。政権中枢の考えとは異なった意見が,軍とか党とか,政権の中にさえあって,それが表面化している。チグハグな事が起こる。商船三井の船の差し押さえなどでも,それを感じています。
民主主義国家では,異論というのは多数の中に埋没する事が多いのですが,中国では多数決で決まらないだけに,むしろそんな異論が表面に出て,実際に実行されやすいのではないかと思っています。昔ならいざ知らず,現在では異論が押さえられない,異論にも気を使わなければならない様になっている・・・・・。
そんな政府とつきあうのも,骨が折れますね。新聞などで,「中国の政策が変わってきた」というような記事が出る事がありますが,その時だけ「異論」が採用されたのか,継続的な方針によるものなのか・・・どうも信用できません。
−−−<追 伸>−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
上の様な記事を書いたとたん,南シナ海での中国の石油掘削を巡って,中国艦船とベトナム艦船の衝突が起こりました。
しかし,中国政府は一応遺憾の意を表したものの,国内では新聞などで大きな記事にしていないし,話し合いで解決できると考えていると言っているし,大事にしないように気を使っています。
これに対して,中国政府は石油採掘を行ないたく無かったのに,権力闘争の中で石油利権を持つ勢力が反政府的な行動として今回の事件を起こしたのではないかと思っている人もいる様です。
今回のベトナムとの衝突も,政府の意向に反した,一枚岩でない勢力が起こしたものと言えるのかもしれません。
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