Google等,巨大汎用検索サイトの検索シェアが低下している事
アメリカのデジタルマーケッティング会社,eMarketerの調査によると,GoogleやBingやYahooなどの大手検索エンジンからのネット検索が減少し,スマートフォンやタブレットのアプリからの検索が増えているという報道がありました。
その記事の例では,旅行の情報を探すならKayak,家を探すならTrulia,地元のお店や企業を探すならYelp,という例が挙げられています。記事では「スマートフォンやタブレットのアプリからいろんなものを検索する人が増えている」と言っているのですが,この表現はよくわかりませんね。Kayak等での検索は,Googleなどと同様にブラウザからアクセスするのが普通だと思うのです。スマホやタブレットから検索するとしても,ブラウザ(まあこれをアプリというのかもしれませんが)を使うわけで,検索のやり方としてはGoogleなどと変わったところはありません。また,Kayak等はスマホやタブレットの専用サイトというわけでもなく,もちろんPCからも使えるわけです。逆にGoogle検索だって,スマホやタブレットでできるので,PC検索からスマホ・タブレット検索へという動きは,GoogleからKayak等へという動きとはあまり関係無い様な気がします。
まあ記事の趣旨は,汎用巨大検索サイトであるGoogle等が検索のシェアを落とし,各専門分野の検索サイトを使うケースが多くなっているという事でしょう。さらにPC検索からスマホ・タブレットを使っての検索が増加しているという事も事実でしょうが,両者に相関(スマホ・タブレットでの検索が多くなっているから,巨大汎用検索サイトが廃れるという相関)があるのかどうかは疑問です。
この報道では,Google,Bing,Yahooなどの汎用巨大検索サイトの寡占が崩れつつある事を,これらサイトの広告収入減少で説明しています。一方のKayak等の専門サイトの広告収入が2年前の数倍に上るという事から,検索の専門サイトへの移行という変化が起きているというワケです。
これは多分いい事でしょうね。
検索サイトというのは,検索上位に,あるサイトを置く事によって,そのサイトへのトラフィックを多くする事も,あるサイトを検索で表示しない様にする事によって,そのサイトへトラフィックを向けない様にする事もできます。そんな検索サイトが寡占化している事は,検索サイト企業の意図的な世論形成を可能にするとも考えられ,何だか危険な匂いがします。しかし寡占が崩れて検索サイトが多様になるという事は,検索結果が多様化されやすいと言えるでしょう。
検索サイトの多様化というのが結構重要な事かもしれないという事は,8年前にこのブログに書いた事があります。
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