梓崎優の「叫びと祈り」
梓崎優の「叫びと祈り」。5編の短編を収める短編集です。4編のミステリーとそれらを統べる最後の短編という構成。
4編のミステリーは全て外国が舞台です。砂漠のキャラバンでの殺人事件,スペインの風車での女性の消失,ロシアの修道院の遺体が腐敗しない聖人の謎,アマゾンのエボラ出血熱発生の最中に起きた殺人の謎。
どれも意外な動機で驚くという作品です。軽い叙述トリックが用いられている作品もあります。
本格派テイストの作品ですが,早く謎の行方を知りたいという気持ちになるような作品ではありません。しかし異国の奇妙な雰囲気と適度な謎が扱われ,私は面白く読みました。このようなスタイルは,長編では苦手かもしれませんが,短編では十分「あり」です。
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