アメリカのエボラ政争化
アメリカメーン州で,西アフリカでのエボラ対策から帰国した看護師に対して,州政府が自宅からの外出禁止を求め,それに対して看護師が「科学的根拠が無い」として提訴していた事件,裁判所の判断が出て,「症状がないにもかかわらず外出を制限するのは合理的な措置とは言えない」という事で看護師の言い分が認められました。
実際エボラは「感染していても発症していない人に接触しても,接触した人には感染しない」といわれており,この段階では自宅から出さないというのは裁判所判断が正しいのでしょうね。
まあそれはともかくとして,この州政府の勧告が,純粋にエボラ防御のためというのではなく,オバマ政権のエボラ対策が不完全だと主張し,次の大統領選を有利に運ぼうとする共和党,さらに大統領候補にもなろうかというメーン州知事が政争の道具に使っているという点が,なんだかなと思います。
実際,エボラ対策が政争化しており,防護服に身を包んだ人物が現れ,バックにおどろおどろしい音楽が鳴っているという共和党のCMもつくられ,さすがにアメリカでも「いたずらに人身をまどわす」として批判を浴びているという事があります。
アメリカの政争化したエボラといい,日本のウチワ騒動といい,政治というのはバカな事に時間と金を使うものだと,つくづく思います。特にアメリカのエボラの政争化は,国民にエボラに対する恐怖を植え付け,実態とは違うイメージに誘おうという行動で,むしろ厳罰に処すべき対象だと思います。
(写真はエボラ人形。ウイルスなのに目がついているのがなんですが・・・。)
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