伊勢丹と東急百貨店の提携解消
2007年の伊勢丹時代から行われてきた三越伊勢丹ホールディングスと東急百貨店の提携が,年内にも解消されるという報道がありました。
伊勢丹としては,間接的に渋谷の商圏の獲得,これはつまり東横線・田園都市線沿線の高所得者層を取り込むというメリットがあり,東急百貨店は仕入先の開拓にメリットがあったわけです。しかし副都心線と東横線の乗り入れが開始され,東横線沿線から新宿三丁目の伊勢丹本店の地下まで直接顧客がやってくることが出来るようになったことなどから状況が当初と変わり,提携効果が乏しいという事になったようです。三越伊勢丹は,名鉄百貨店など他百貨店との提携も縮小しているようですね。
三越と統合した伊勢丹は,新宿本店と共に三越の日本橋や銀座などの店舗を中心に成長戦略を描き,東急百貨店は渋谷の再開発に注力するという方向性の違いもあるようです。
渋谷の再開発で渋谷のポテンシャルが上がれば,伊勢丹の新宿のポテンシャルが相対して下がるということにもなりますから,利害関係の相反という事もあるような気がします。
今度の提携解消に関連して,現在の渋谷駅周辺の不便さを云々する方がいますが,今後実施されるJR渋谷駅と銀座線渋谷駅の移転が未完成な今,そんな事を云々しても仕方ないでしょう。旧東横線渋谷駅の位置にJR埼京線・湘南新宿ラインの渋谷駅がやってきて,また銀座線渋谷駅がヒカリエと旧東横線渋谷駅の間の広場を越える高架の位置に移転する。その広場の地下に東横線・副都心線渋谷駅がある。すなわち広場の廻りに各社渋谷駅が終結することになっています。京王井の頭線だけ一人ぼっちになるのが何ですが・・・。
| 固定リンク
コメント