中国の弱点は経済ではなくて・・・
あるネット上のビジネスジャーナルに,イギリスのエコノミスト誌からの引用として「製造業におけるアジアの優位は永続する」「この事が他地域の発展を阻害する」という記事が載りました。
アジアの製造業で現在力があるのは,もちろん中国です。この記事によると,製造業での中国のシェアは25%に達し,全世界のエアコンの約80%,携帯電話の70%,靴の60%を生産しているとの事です。
しかし,いずれは中国の経済発展,賃金上昇により,その製造業は他地域にバトンタッチされ,バトンを受け取った別の国が製造業で経済発展していくだろうと思われていました。ところが記事は,そうなっていないと指摘しています。近年の賃金上昇があっても,中国の支配力は衰えるどころか逆に強まっていると指摘しています。中国から去る低賃金の仕事は,中国の影響の下で東南アジアに広がり,中国の力が強まっているというのです。さらに人口の多さはやはり消費の多さを生み,東南アジアに広がった中国から出て行った製造業も,顧客として中国を重視せざるを得ない状況となる・・・。
その結果,アジア以外の地域,南米,アフリカ,インドでさえも,製造業での経済発展は見込めないという事態に陥っている。
なるほどそれは確かだなと思います。
しかし私は,中国の弱点・リスクは経済ではなく政治だと思っています。今後さらに豊かになった中国は,共産党一党独裁を維持できるのか? これが崩れた時,どんな事が起こるのか? そのとき世界経済は?日本経済への影響は?
共産党一党独裁が中国国民にとって幸せかどうかは別として,これまでの歴史を見ても,中国は強力なタガがないと,まとまりのない国だった。一党独裁が崩れた時,中国はいったいどうなるのか,そんな研究をそろそろ始めないといけない時期かもしれません。
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