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2015/03/27

リー・クアンユー氏が語るインドと中国

Ma_lion シンガポールの初代首相,リー・クアンユー氏が3月25日に91歳で亡くなりました。豊かな北朝鮮ともいわれる独裁国家ながら,シンガポールに繁栄をもたらした人物です。
 そのためここ数日,新聞や雑誌,ネットのニュースサイトなどで,リー・クアンユー氏の過去の言葉や対談などの再録が行われ,それらを目に触れる機会がおおくなっています。
 最近私が見たのは,アジアの2大人口大国,インドと中国についての対談です。
 それによると,インドの経済はなかなか中国には追いつけず,せいぜい中国の7割の規模にしかならないであろうといっています。その理由に,インドのインフラ整備の遅れ,さらに政治の脆弱さ,つまり政権を一党だけでは確立できず,連立を組まざるを得ない不安定な政治システムをあげています。
 これは中国経済繁栄の裏返しである様に思われます。
 中国もインドも歴史的に見れば群雄割拠,あまり全体としてまとまりのない国です。それを中国は,共産党一党独裁でまとめている。一方インドは,なまじ民主主義国で選挙があるために地方州政府と国家政府の党の違いが現れやすく,また同じ党でも与党になっている州と野党にとどまっている州では言っていることが違うなど,様々な政治的混乱が起きています。それが原因となって,公共投資などの面での判断の遅れ,決定の遅れが起こり,遅々としてインフラ整備が進まないなどの問題が起きています。
 一方中国は,国民がしあわせかどうかは別として,共産党一党独裁によってすばやい判断,一気呵成のインフラ整備などが進んで,インフラの面では近代国家になりつつあります。
たぶんインフラ整備は,やや遅いとはいえインドの方が普通の速度に近く,中国があまりにも早すぎるのだと思います。
 その中国も,経済発展がさらに進む今後も一党独裁が維持していけるのかどうか確かではなく,また国民がしあわせかどうかをいつまでも別にしておけるわけでもなく,それはそれで問題が山積しています。共産党一党独裁が崩れたとき,世界に与えるインパクト,日本がこうむるインパクトはどんな形になるのでしょうか?
 実際のところ,中国もかつての群雄割拠時代程度にばらばらになれば,少なくとも沿岸部の先進地域や東方,北方の少数民族地域などの人々は,幸せになるのではないかと思います。

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