大塚家具のお家騒動
大塚家具が揉めている。
大塚家具には何回か行っています。初めて行ったときはIKEAもニトリもなく,家具を買おうというとまず頭に浮かんだのが有名な大塚家具でした。
それが今では家具を買おうかというと,近所にある事もあり,IKEAへ行ってみようか,ニトリにいってみようかとう事になります。まあそこら辺の所が,大塚家具の最近の退潮という事なんでしょうね。
大塚家具の接客はIKEAやニトリとは全く違います。初めて行くとまず個人情報の登録。それから今日の案内役がついて,店舗に入っていく事になります。案内役にこういう家具が欲しいというと,まさにそんな家具の所に連れて行ってくれます。全体の感じはいいが,もう少し幅の狭い方がいいというと,正にそんな家具の前に連れて行ってもらえます。ベッドなどはそれぞれどんな特徴があるか,こちらとあちらの商品の違いなども的確に説明してくれます。店内の家具の全てを知り尽くしているプロの案内役の接客は,慣れるまでは敷居が高いでしょうが,慣れてしまえば非常に便利で的確なものです。
それが創業者の父親のやり方。それに対して娘の現社長のやり方はもっとカジュアルに,個人情報をまず登録する様な敷居の高さを取り払おうとしているという事らしいですね。
私は,前述の様に創業者のやり方をそれなりに評価しているので,「なにもIKEAやニトリと同じ様になる事はないじゃない」と思うわけですが,大塚家具の次世代を支える娘さんをはじめとする社員達は,危機感を感じているでしょうね。
父と娘のお家騒動という捉え方をしがちですが,企業の将来戦略にかかわる問題で,企業戦略の路線対立という事ですね。創業者の考えも理解できるし,娘さんの考えも理解できる。家具をめったに買わないしできるだけ長く使える,ウチの条件にあった,気に入った物を探したいという要望に答えるには,創業者のやり方は効率的で適していると思います。一方,会社の業績,売上げを上げて発展させるには,IKEAやニトリのやり方に近寄っていかざるを得ない。経営者としてむずかしいところですね。
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