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2015/04/27

首相官邸ドローン事件

Drone 首相官邸屋上ににドローンが見つかった事件,福井県小浜市の40代の無職の男が警察に出頭しました。男の供述によると,反原発を訴えるためにドローんを飛ばしたという事です。ドローンには,微量のセシウムが積んであったと当初から発表されており,「首相官邸」「セシウム」というキーワードから,当初から原発との関連が考えられていました。
 このセシウムの存在から,当初はセシウムを手に入れられる者が犯人とも言われていましたが,実は特別に手に入れたものではなくて,男の供述によると福島の砂と水だったという事です。普通に福島で採取した砂と水を警察が分析して,微量ながらセシウムを積んでいたと発表するというのは,かなり皮肉が効いています。
 さてこの犯人,地元ではあまり近所付き合いも無く,家族と一緒に住んでいたとはいえ無職である事を考えると,あまり社会的に活動していたわけでもないようで,原発反対という意見にしても,ブログを開設していたとはいえ,周囲の同意見の人たちと意見交換していたわけでもない様です。
 そんな社会に疎い犯人が起こしたドローン事件。反原発の人々からは「原発反対を真面目に訴えて居る人達に多大な迷惑をかけた」などと言われ,「単に本人の承認欲求を満たすだけの行為」などと言われています。私は犯人のことをよく知らないし,人となりも報道から以外知る由もないのですが,あえてそれを承知で言ってしまえば,40歳にもなっているのに「人相の悪い変なおじさん」。
 犯人がドローンを官邸に向けて飛ばしたのは今月9日,発見されたのは22日ということで,官邸屋上に2週間放置されていたのに誰も気づかなかったわけです。この放置に何よりも驚いたのは犯人でしょうね。犯人にとって相当のフェイント,かなりヤキモキしたことでしょう。出頭したのは,そのため鴨知れません。どなたかが言った「承認欲求」が完全に無視されていたわけですから。
 これくらいの失態を演じれば,官邸警備側もドローン対策にかなり本気で取り組む事になるでしょうね。さらにドローンに対する規制も厳しくなるでしょう。地上を監視する監視カメラの様に,低空を監視する監視カメラ網や超低空レーダーなどの開発もあるかもしれません。
 今回の犯人一人の思い込みによる行動は,原発反対派にも迷惑がられ,ドローン規制強化,官邸警備の強化を生んだだけという,おそらく犯人の意図とは違う方向に進展していきそうです。そもそもドローンを首相官邸に飛ばした結果をあまり想像できていなかった様にも感じられ,どなたかが「放射脳による犯行」と言った言葉にうなずいてしまいます。一人だけで何かやっても,もっと言えばひとりだけでしか何かできない社会的引きこもりの人々は,結局何も成し遂げられないという教訓にもなっているような事件でした。
 ドローンに対する法整備も進展するでしょう。それはいい方向だと思いますが,これからの技術が萎縮しない程度のものを望みます。まあとにかく,ドローンの利用も緒についたばかり。これからそれを活用する術もそれを防ぐ術も開発されていく時期,この事件だけ見てドローンの可能性を摘んでしまう愚だけは止めて欲しいと思います。

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