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2015/06/22

鶴見付近の海岸電軌

Tsurumi_mapShot1Shot2 先日から連載している(えっ,連載だったのか!)神奈川県横浜市・川崎市の海岸電軌軌道。横浜市鶴見総持寺駅(京急鶴見-花月園前間にあった駅)から川崎市大師駅(現在の京急大師線川崎大師駅)までを結んでいた路面電車です。1925年に開業し1937年に全線廃止された電車。先日は川崎側,現在の京急大師線産業道路駅付近の遺構についてルポしましたが,今回は横浜側,鶴見付近の遺構についてまずGoogle mapで見てみましょう。
 例によって地図と航空写真です(それぞれ,クリックすると拡大します)。地図でははっきりしませんが,航空写真では京急本線の線路際に結構大き目の公園があるのが分かります。地図では名称が書いてありませんが,「本山前桜公園」というそうです。本山というのは,石原裕次郎の葬儀が行われた曹洞宗の大本山「総持寺」のことです。この公園の位置に京急本線の「総持寺駅」があったのですが,京急本線は高架化され駅の跡は全くありません。そしてこの公園こそ,海岸電軌の総持寺駅があったところです。ちなみに,JR鶴見線(当時の鶴見臨港鉄道)には対応する位置に「本山駅」がありました。その遺構(ホーム跡)は今でも残っていて,鶴見線の電車に乗ればここがそうだったんだと分かります。
 さて航空写真を見ると,この公園から東の方へカーブを描いた家の連なりが目に付きます。どうみても鉄道の跡ですね。この家の連なりの先は,鶴見川を渡る道路橋があります。JR鶴見線の鉄橋の一つ上流の橋です。この橋は「臨港橋」という名前だそうで,ここを海岸電軌が渡っていました。特に港もないこの位置の橋が「臨港橋」というのは,京急の手を離れ海岸電軌が吸収合併されてこの軌道をしばらく維持していた鶴見臨港鉄道(今のJR鶴見線)の名前から来ています(三番目の航空写真で,赤く塗った部分が総持寺駅址と鶴見川を渡るまでの海岸電軌廃線址だと思われます)。
 さて臨港橋を渡ってその先で産業道路に合流します。おそらくそこから先が産業道路上の路面電車(併用軌道)になっていたと思われます。
 この旧総持寺駅付近の古い地図というと,横浜市がネット上で公開している「三千分の一地形図」というのがあるのですが,残念ながら鶴見の地図は昭和26年=1951年版が最古で,既に海岸電軌が廃止されて14年も経っている年代のもので,海岸電軌の線路の記載がなく,実際のところどの位置まで専用線であったのか分かりません。
 川崎側は,前の記事で掲載した川崎市の「三千分の一地形図」により明らかに産業道路への合流地点が分かります。しかし川崎市はネットでこの地図を公開していないので,地図を見たければ川崎市立図書館(それも武蔵小杉の中原図書館だけ)に行かなければなりません。
 さて基本的に産業道路上の路面電車であった海岸電軌ですが,路線中にもう一箇所,専用線であった箇所があります。川崎市の三千分の一地図で線路をたどっていった結果分かった地点で,鶴見側から行って富士電機前停留所の先,鋼管前電停当たりです。
 今度はそこへ行ってみたいと思っていますが,梅雨のこの時期,自由に動ける週末は雨がちなんですよね。

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