「誰の子も殺させない」〜安保法制をめぐって
安全保障関連法案に対する反対運動が,いろいろな所で行なわれ,学生達のデモや「安保関連法案に反対するママの会」というグループの国会議員への陳情なども行なわれています。
後者「ママの会」では,8月27日にも「誰の子も殺させない」をスローガンにして,国会議員への陳情を行なっています。神奈川県では,同会が地元選出の自民党議員との懇談も行なわれました。
「誰の子も殺させない」というスローガンは大変結構なのですが,実際のところ誰かの子に誰かを殺させようと考えている人など,そうそうはおらず,神奈川県の自民党議員との話合いでも,早くいえば「私もそう思います。そのための安保保証関連法案です」ということに終わり,平行線以外の何者でもなかった様です。
実際のところ,安保法制に賛成している人も,この安保法制を通して戦争したいという事ではなく,この安保法制があった方が戦争から遠ざかる事ができるのだと思っているわけです。
どうも安保法制への反対運動が,すべっているような気がしているこの頃です。
私は,安保法制は憲法に反していると思いますが,「国民の間で安保法制自体に対する理解が進んでいない。拙速すぎる」という主張には違和感を持っています。このようなグループができて,学生達の反対デモも起きて(国会前のデモに参加した知人によると,主催者は学生でも,実際の参加者は安保世代が多く,若者の姿が見えなかったというのですが),国民の間に安保法制への理解(賛同という意味ではなく)が進んでいないとも思えません。ただ,賛成者,反対者の主張が,戦争反対,戦争は起こしたくない,戦争に参加したくない,という同じ思いで二つの方向に別れているのであり,それが時間をおいたからといって同一の方向に向くとは思えません。
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