テスラの株価急落〜EVの将来に思いを馳せて
アメリカの商品評価雑誌「Consumer Reports」が,アメリカの電気自動車メーカー,テスラの現在の主力車種であるモデル S の評価を引き下げ,「信頼性は平均以下」とコメントしました。評価発表後,228ドルだった株価が一時的に202ドルまで下落しています。
Teslaの車としての技術は,?(ハテナ)という話は以前からありました。テスラ車を買ったのはいいけれどもすぐ売りたがっているアメリカ人を知っています。テスラ車は,新し物好きを中心に一部でファンがいる一方,実用的には?(ハテナ)という人たちも確実にいます。
テスラは稚拙な自動車技術とEVの不便さ(航続距離や充電時間など)をサービスで補っていたという事のようで,今回のConsumer Reportの評価も,熱が冷めてみればさもありなんという感じらしい。そもそもテスラの評価の高い部分は,マーケッティングはテスラの力だとしても,技術的にはパナソニックの技術部分だし,車自体は昔の中国車?という厳しい事を言う方も知っています。
やはり電気自動車というのはまだまだ発展途上の技術。世界中に充電ステーションが完備されたとしても,航続距離が短く度々充電が必要,しかも一回の充電に時間がかかり,30分でも全然満タンにならない(せいぜい次のステーションまで走行できるだけ)。手間もかかるし,遠出ではたびたびの充電が必要でしかも充電時間も長く,結局目的地に着くまで時間がかかり,HVの方がいいという事になります。まあここは,パナソニックを初めとする電池メーカーに頑張ってもらって,航続距離の長い充電時間の短い電池(現在のリチウムイオン電池では無理か)を作ってもらわねばなりません。
そんな現状を考えると,私は結局EVというのは,今の軽自動車より小さな車,個人的にそこら辺に買い物に行く車にしかならない様に思います。テスラでは大きすぎるのです。2人乗りくらいで電動自転車に荷物が積めるような四輪車,それがEVの姿だと思っています。遠出用の車,現在のファミリーカーは,HVなりFCVなりという事になるでしょう。そんな棲み分けができるものと思います。
ただし,電池,電気技術はどんどん進化し,EVの航続距離も長く充電時間も短いという車ができないとも限りません。FCVが水素を使う事から危険性を言う人もいますが,実際のところ現在のリチウムイオン電池も爆発の危険性があります。でももっと安全な電池ができないとも限りません(電池に化学的な現象を使っている限り,なかなか難しいと思いますが)。そんな事になれば,テスラが作っているような大きなEVも,芽が出てくるのかなとは思います。
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