大きすぎてつぶせない
ドイツフォルクスワーゲンの排ガス試験不正。1100万台にも上る改修費用,アメリカから課せられるかもしれない2兆円ともいわれる罰金,これらの負担でフォルクスワーゲンの経営が傾くかもしれないと言われています。こういう大企業が傾いた時,よく言われるのが「大きすぎてつぶせない」という言葉。
ところが,大きかったにもかかわらず,AAAの格付けだったにもかかわらず倒産した企業があります。アメリカのニューヨークに本社を置いていたリーマンブラザースです。
アメリカ第4位の投資銀行であったリーマンブラザース。ところが第5位の投資銀行,ベアスターンズは,アメリカ政府,ニューヨーク連邦準備銀行が緊急融資を行い,2008年5月30日付けで銀行最大手の一つであるJPモルガン・チェースに救済買収されました。ところがリーマンブラザースは何も救済されずに倒産しました。実際のところ,1位のゴールドマン・サックスから5位のベアスターンズまで,全ての5大投資銀行が救済合併などの手段によって姿を消しました。
その中でなぜリーマンブラザースだけが救済されなかったか? どうもあまりにも民間だった,米国政府にも外国政府にも遠い存在だったために,救済されなかったというのがもっぱらの理由の様です。
翻ってフォルクスワーゲンは? 国策企業として誕生し,現在でもニーダーザクセン州の資本が入っており,同州から重役も受け入れている。かなり国家に近しい企業です。まあそれだから,大きすぎてつぶせないという事が,まさに行われるでしょう。
しかしそんな生い立ちや現在の資本構成をかんがえれば,世界的な半官半民企業の衰退の一環という気もしてくるんですがね。
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