トルコ軍機がロシアの爆撃機を撃墜
昨日は,ロシアの対IS空爆について書いて,「シリア情勢は,ロシアが空爆を行なうようになって,対IS陣営内にもロシア対欧米という構図ができて,事態はより複雑化しています。」といったのですが,現地時間24日の午前9時20分ごろ,トルコ軍の戦闘機がシリアとの国境付近で国籍不明の軍用機を領空を侵犯したとして撃墜し,軍用機はシリア北西部ラタキアの近郊に墜落したという事件が起こりました。
一方,ロシア国防省は,撃墜されたのはシリアの上空を飛行していたロシアの爆撃機「スホイ24」だと発表しました。
トルコはロシア機が領空侵犯を行ったと非難,一方のロシアは,爆撃機はトルコに脅威を与えたていなかったとして非難合戦になっています。
ロシアはトルコが撃墜前にロシア機に通告しなかった事,トルコの領空侵犯は行っていない事,トルコ機がシリア領空を審判したのだと発表しています。一方トルコ側は,撃墜前に5分間に10回も通告し,返事がなかった事を明らかにしました。
そもそもトルコは歴史的にロシアに脅威を感じており,日本が日露戦争に勝ってロシアをやっつけた事は,トルコ人の親日感の一つの理由にもなっています。
さらにトルコ側は,ロシアがシリア国境付近に住むトルコ系少数民族のトルクメン人を攻撃していた事を延べ,ロシアを非難しました。トルクメン人は反ISかつ反アサド政権で,欧米と同様の立場に経っています。ロシアとしては,反ISはいいが反アサドが気に食わないという事でしょう。ロシアのトルクメン人攻撃は,ありそうな事です。
トルコはイスラム教の国ですが,NATO(北大西洋条約機構)の一員であり欧米側。シリアを巡る欧米対ロシアの構図が,いちだんと混乱・複雑化してきました。
NATOは緊急の大使級会合を開く様ですね。
そんな矢先の11月24日,チュニジアの首都チュニス中心部で,同国の大統領警護隊を乗せたバスが爆発して,少なくとも12人が死亡するという事件が発生しました。未だはっきりした事はわからないものの,何者かが車内で爆弾を爆発させた可能性が高いとの事です。
これがテロとして,IS系かアルカイダ系か,どちらの仕業でしょう?
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