夫婦別姓の事
明治時代の民法の規定が憲法違反かどうか,今最高裁で争われています。今の民法が夫婦別姓を認めていない事が憲法違反かどうかというのが争点です。
憲法違反かどうかは別として,私は夫婦別姓を認めてもいいと思っています。民法の規定を別姓でなければいけないという様に変えようというのではありません。別姓も認めるという事です。同性にしたい人はそうすればいいのです。忘れては行けないのは,自由度を増そうという動きだという事です。
そいう意味で,別姓を認めるべきではないという意見は,「いやなら同姓にすればいいじゃないか」と言えば解決するような理由が多いように思います。テレビニュースでインタビューを見ても,別姓に反対する意見は「自分は別姓にしたくない」という主張にしかなっておらず,「制度として自由度を認めたらどうか」という事への反論になっていないのです。子どもが混乱するという方も居ますが,別姓になったとき,「そういうものだ」と考える事は特に困難ではありません。逆に名前が同じでないと結びつかないファミリーというのも,えらい関係が稀薄なファミリーだなあと思います。中国は伝統的に夫婦別姓ですが,家族関係は日本よりむしろ濃密である様に思われます。
ところで,私の勤める会社では夫婦別姓を認めていて,女性が結婚してもメールアドレスは旧性を使っている方が多いです。同一社内でも,日々頻繁に接触している人ばかりではありません。たまにメールのやり取りで仕事する場合も多いのです。そんな場合,結婚したからって別姓にしたのでは,「あの時のあの人」とは分かりません。まあ仕事上分かる必要があるのかという事はありますが,分かった方がスムーズにいく事が多いのです。その他にも,過去の論文や著作の連続性など,実用上で旧姓の方が都合のいい場合があります。
それに第一,夫婦別姓を認めていないのがほぼ日本だけなので,世界的に事業展開していて外国人の社員が多い会社では,旧姓を認めないわけにはいかないというところもあるのだと思います。
(フリー写真素材サイト「足成」で「家族」によって検索したら出てきた写真を口絵に使わせていただきました。)
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