加藤実秋 「インディゴの夜 ロケットスカイ」
加藤実秋のインディゴの夜シリーズは,これまでもこのブログで紹介してきました。
「インディゴの夜 ロケットスカイ」はそのシリーズ第6作です。前の第5作「インディゴの夜 ブラックスローン」がシリーズ初の長編でしたが,この第6作では,また短編集に戻っています。
短編4作品を収めていますが,全体を通じてオーナーのひとり,女性フリーライター高原晶が某出版社の編集長の座に誘われていることのもやもや,若手の台頭(短編2作目では,人質にとられてベテランホスト陣が動けず,若手が動いて事件を解決したことから,若手が妙に探偵業務に自信をつけている)による世代交代の雰囲気が感じられることなど,いろいろ事件意外に屈託があり,あまり爽快とはいかないのが残念といえば残念です。
このシリーズは,時間経過を描くタイプの作品で,登場人物の屈託を描くこのような一巻があってもいいとは思います。
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