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2016/01/11

サウジアラビアとイランの対立

Middle_east ISの存在,アラブの春による民主化の副作用による政情不安などでいい加減不安定感の増している中東地域。ここへ来てさらにサウジアラビアとイランの間の緊張感系が生じました。1月2日にサウジアラビアが,国内の王政に批判的な活動をした47人を過激派の一掃と称して処刑し,その中にイスラム教シーア派の有力な指導者ニムル師が含まれて居た事に端を発しています。これにイスラム教シーア派最大国家のイランが反発,イスラム教スンニ派最大国家であるサウジと対立しました。サウジは否定していますが,その後もイラクの大使館をサウジが空爆するなど,対立は深まっています。
 こうして見ると,イスラム教内の宗派対立の様に見えますが,決してそれだけではないという記事を読みました。エジプト出身のタレント,フィフィのブログ記事です。彼女はテレビのバラエティでも見かけるタレントですが,過去にもエジプトのクーデターやISILによる日本人拘束事件など,中東がらみの事件に対して発言しています。
 この記事によると,今回の緊張関係の要因としては・・・・・,

1.イランの成長。経済制裁下にあっても成長していたイランが,アメリカとの核協定に合意し,石油輸出も再会されると思われ,さらに勢いを増す。
2.イランの石油輸出がはじまれば,世界の石油需給事情が改善して原油安が見込まれ,同じ産油国,ほとんど国の経済を石油に頼っているサウジには痛手。
3.現在でもサウジ経済は最悪で,原油安のために赤字経済を余儀なくされている。
4.サウジ国内ではプチアラブの春が起こっており,王制に反対する勢力の活動が活発化。サウジ王制側としては,国民の世論を対海外(対イラン)に向ける必要がある。国内だけではなく,イエメンには反王制過激派がおり,サウジ王制はこれに手を焼いている。

・・・・・などなど,単なる宗派対立ではなく,サウジがイランと対立する様々な要因がある様です。また,私などは中東各国というと,サウジもイランもアラブの国というイメージしかないのですが,フィフィさんのこの記事の中には,実際はサウジがアラブ人,イランはペルシャ語を話すペルシャ人の国であるという指摘があります。どうも人種的な対立も見え隠れするのが,サウジ対イランの対立なのかもしれません。

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