子育ての大変さとは・・・
ネット上のある記事に同感しました。
友人の結婚式からの流れで,かつての同級生達と食事に行ったとき,「子育てしてるとゆっくり座って休む暇もなくて大変だ」と世の奥さんが言うという話になり,「夫だって仕事でゆっくり座っていられるのは昼休みの1時間くらいだ」という話がでたという事です。記事の著者はその場では取り繕ったものの,後で何か違うと考えだし,子育ての「休む暇もない」という事と,仕事の「ゆっくり座っていられるのは昼休みだけ」というのは質がちがうのだと思い当たったという記事です。
つまり,子育ての「休む暇もない」というのは,自分の意思とは無関係に自分のやろうとしていたこと・したかった行動を子どもに遮られることの連続,「ご飯を食べ終わるまでイスに座って食べる」,「トイレに普通に入って用を済ませてからトイレを出る」,「洗濯物をお昼までに外に干す」,「市役所に普通に電話をかけて、話し終わったら電話を切る」など,自分のしたいことを自分の意思に反して途中で他者によって遮られること,そのフラストレーションが大変なんだという事です。つまり子育ての「休む暇もない」という大変さは,「時間」という概念ではないという事です。
曰く,「3時間後に起きると自分で決めて自分の意思で起きる3時間と,自分の意思とは無関係にいつ起きるか予測できない子どもの泣き声で無理矢理眠りから起こされる3時間は違う」
自分の予定を遮られる事で,小さな事「ゴミを拾う」という事を突然遮られて,達成感が得られない事,達成感の結果としてのドーパミン不足,それが連続する事,それが「大変なんだ」と筆者は気づきました。
これはよくわかります。自分の思い通り,予定どうり,考えていた段取りどうりできない。しかも常に。
よほどいいことがないとやっていけない。まあ子供を持つと,「よほどいいいこと」もあるんですけどね。
さてこの記事を読んで思い至ったのは,昨今の「ブラック企業」の事です。残業の連続,残業代さえ出ない。ブラックな仕事。
私は世に知られた企業に入り働いていますが,若い頃は残業の連続で最終電車で帰るとか,帰る事ができずに徹夜をこなしていました。それも自分から志願してという事があります。「あと3時間算あればこの仕事は終わります。残業させてください。」などと自分から志願して。だって今日それを終わらせておけば,明日の朝,いい気分で目覚める事ができるじゃないですか。
そんな境遇の者が昨今の若者のブラック企業談義を聞いて,「何を甘えてるんだ。自分の若い頃は・・・」などと憤ったオジサンも多いのではないかと思います。
私の若い頃は,1ヶ月の残業時間だけを考えればブラックな仕事と同じですが,これは全くブラック仕事とは違います。ブラックな仕事とは,ある仕事をやっている時にどんどん違う仕事を突っ込まれ,それで結果的に残業せざるを得なくなるような仕事。達成感が感じられない仕事。そんな仕事がブラックなんでしょうね。
じゃあ子育てはブラックなのか? 前述のように「子供を持つと,『よほどいいいこと』もある」点が違います。そう,全然違いますね。
(写真は,フリー写真素材サイト「足成」で,「子育て」で検索して出て来た写真です。まあこの光景,分かりますよね。)
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