インドの暴動で,スズキ現地子会社が操業休止
自動車のスズキのインド子会社,マルチスズキが,インド北部ハリアナ州で起きている暴動の影響で部品の納入に支障が起き,2月20日午後から2工場で操業を休止するという報道がありました。
この暴動というのは,伝統的身分制度「カースト」での「ジャット」という下層階級の人々が起こした暴動です。実際にはこのジャットというのは,インドとパキスタンにまたがる1000万人程の部族だそうで,その部族がそのままカーストの階級になっているという事の様です。
暴動を起こして何を要求しているのかというと,報道によると「被差別層に割り当てられる公職などの優先配分の拡大を求めて州政府に対し抗議活動を繰り広げ、道路や線路を封鎖するなど暴徒化している」との事です。
被差別階級が起こす暴動というので,私などは差別の撤廃を求めているのかと思えば,そうではないのですね。反カーストではなく,カーストの下層階級にある特権を,さらに厚くしろという要求という事。
そもそもカーストは公的には否定されていて,だからこそ下層階級に社会的な優遇策があるわけです。ジャットによる要求は,現実的といえば現実的ですが,これではカーストはなくならないですね。社会的にはカーストの下層に対する優遇策が取られているので,むしろカースト制度を肯定し,強化せよと言っているようなものです。
経済発展と人口の多さで中国と並び称されるインド。あまり知られていませんが,インドもまた多民族国家です。中国での少数民族絡みのテロと同様,そこに経済的なリスクが存在するという事です。
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