テキストサイト
かつて流行したテキストサイトについて,知人と話をしました。知人と話していて,お互いのブログの話になって,さらにそれが「テキストサイトっていうのがあったよね」という話になっていったのです。
テキストサイトは,1990年代から2000年代初頭にかけて流行した,ネット上の文章によるウェッブサイトです。そういうと,ブログの事かと思うかもしれませんが,当時はブログツールなどありませんでしたから,ネット上で公開している文章によるホームページでした。その多くは黒地に白い文字で書かれていました・・・というより,昔のコンピュータ画面というのは,それが普通だったのです。そんなサイトの中でテキストサイトといえば,その中でも文章の面白さやネタを書き連ねたウェッブサイト,エンターテインメント性を重視したサイトの事です。ネタというのは,今ではYouTubeで牛乳やコーラの一気飲みなどを公開している中学生がいますが,それを文章で書いたものと思えばいいかもしれません。文章によるサイトですから,YouTubeのような中学生では荷が重く,ほとんどは大学生が主宰していたものと思います。
知人と違って,私は厳密な意味ではテキストサイトを当時読んだ事がありません。当時,ピーヒョロヒョロという電話線によるダイヤルアップ接続のモデムの音と共に読んでいたのは,鉄道の廃線跡のルポ(なにしろ鉄なので)や推理小説の作家やファンのサイト(何しろミステリー好きなので)などであって,単なるごった混ぜ面白エンターテインメント系のサイトであるテキストサイトはあまり面白いものとして認識しておらず,読んでいませんでした。
ブログもそうであるように,たくさんあったテキストサイトは,たいていは三日坊主。定期更新をうたっていても,数回で終わりというサイトがほとんどでした。私が好きで見ていた鉄道のサイトや推理小説のサイトは,その性格上1回限りで完結していて,テキストサイトとは違うものだという認識がありました。
その中でも,いくつかはたくさんのPVを集め,長く続いたものもあります。そんなテキストサイトは,ある時期からブログに移行したりポッドキャスト(音声ブログ)に移行したものもあるようです。
まあ,当時の利用者の少ないインターネットだからこそ素人芸が通用したというところがあるかと思います。著名な評論家や学者,経済人たちがたくさんのコンテンツを発信している現在のインターネットの前史,生まれたてのネットだからこそ数千のPVでもメジャーと認められ,現在にも語り継がれる存在になっているのだと思います。
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