山田風太郎「人間臨終図鑑」
いま,青崎有吾の「図書館の殺人」という推理小説を読んでいます。青崎有吾の作品は,過去にこのブログで3作品,「水族館の殺人」「体育館の殺人」,それに短編集「風が丘五十円玉祭りの謎」を紹介しています。
今回の「図書館の殺人」はこの1月に出版された最新作で,紹介済みの3作品同様,父親に勘当されて学校の部室に住んでいる高校生,裏染天馬のシリーズです。
今回の話題はその作品の事ではありません。この作品の中で言及されていた本に興味があったので,それを読んでみたのです。図書館の殺人事件の凶器になった本が,山田風太郎の「人間臨終図鑑」です。奇書として紹介され,この厚い本で被害者が殴られたものです。
アマゾン書店で検索したら,電子書籍として販売されていたので,即ワンクリックしてしまいました。4分冊になっていますが,まずは1巻のみの購入です。
この本は,歴史上有名な人の最期の様子を短い文章で紹介したものです。図鑑とは言いながら,図版は載っていません。10代で亡くなった人から亡くなった歳の順に載っています。ちなみに10代では,放火して刑死した八百屋お七,忠臣蔵で切腹した大石主税,アンネの日記のアンネ,信長を守って本能寺で落命した森蘭丸,フランスのジャンヌダルクなど,11人が並んでいます。以降,20代で死んだ人々,30代からは30歳で死んだ人々,31歳で死んだ人々・・・・・と1歳毎に記載されています。当然歳が行くに連れて人数は多くなります。
その死の情況の記述は,かなり簡単に記述されているだけなので,どうという事も無いのですが,源義経は30歳だったのかとか,最近「蟹工船」がベストセラーになった小林多喜二も30歳で亡くなったのかとか,シューベルトは31歳,暴君ネロも31歳の若さで亡くなっているのかなど,死亡年齢の意外性に興味をそそられました。
その素晴らしい業績に比較して,あまりにも若い年齢で亡くなっている事への興味で読むので,2巻以降50歳からはそれ程興味をそそられないだろうと思われ,2巻以降の購入は止めにしました。
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