知り合いの方の介護経験(1)
知り合いの方が90歳を越えた父母の介護に入っておられる。その様子を,私を含めて周囲の者が聞いており,ご本人の了解を得た上で介護で起きている問題について紹介したいと思います。介護については,私の周りでもたくさんの方が今正に経験しておられ,われわれもそんな時期,父母の介護に携わる時期になったという事を実感します。
このブログでも何回かほんのりと登場させていただいた補聴器専門店に勤める50代の女性です。この方は横浜に住んでいて,ウチのカミさんと同じ長野県に実家があり,その父母は長野市に住んでいる。同じ横浜に住む姉が一人居て,この姉と一緒に介護に携わっているそうです。
介護の大変さというのは,介護自身ではなく,その周りとの軋轢だという事は,介護経験のある知人達から聞いています。ある方は,介護対象の父親ではなく,母親との関係の悪化に悩んでおられる。ある方は兄弟姉妹との関係に悩んでおられる。ある方は会社(仕事)との関係に悩んでおられる。この方も介護の大変さは,姉との関係だといいます。
聞くと,姉は企業などの自己啓発セミナーの講師をやっており,事務所に所属してその事務所から仕事を貰って地方に行って講師をやっているらしい。
この姉さんはかなり調子がいい人物らしい。3月は全部私が見るからといっておきながら,「この期間はあなたがでられない?」などというのは日常茶飯事。言った通りになったためしがないらしい。
妹さんは,補聴器専門店を1軒任されており,認定技能士の資格をもっている。彼女が居ない間は,補助の人を入ることができるが,結局電話の受け答えしかできず,補聴器の説明,販売,調整はこの方しかできない。だから補助の人が店に出ても,この方の居る日に予約を入れる事しかできない。
一方姉さんは,事務所から「この日は入れるか?」と連絡を受け,かなり自由にそれを断ることができる。
それならば,介護日程の主体は妹さんが決めるべきだと思うわけですが,姉は「○日は長野にいけそうもないから,あなたが出て」などというらしい。予定を変更すると他人に迷惑のかかる妹さんを差し置いて,日程は姉さん主導で決まるというのがそもそもおかしいと,われわれ周囲の人間は客観的に考えます。
この姉さんは自分が仕事で出られなくなったので妹さんに長野へ行けという時,妹さんが「お客さんの老人達の予約変更など,連絡や調整が必要だから即答できない」と言うと,「そんなのは会社が心配することで,あなたは会社に休みますといえばいいのよ」と言うそうです。姉妹の叔母に当たる方も横浜に住んでおられ,私も面識があるのですが,「あの人(姉さん)は,まともに仕事もしたこともないし,講師をする何の資格も持っていないのに,あんな仕事をしていいのかしら?」といっておられたことがあります。おそらくこの姉さんは,店一軒任されるような責任ある立場になったことがないのだと思います。
しかしこの姉さんは,長野へ行く日数は妹さんよりさすがに一月に5日程度多いようです。まあ仕事の質を考えれば,そういう事になるのかもしれません。
<続 く>
(写真は,フィリー写真素材サイト「足成」より。)
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