有栖川有栖の短編集を立て続けに読みました
ここのところ,有栖川有栖の短編集をたて続けに読んでいます。
「暗い宿」「長い廊下がある家」「怪しい店」。これらはそれぞれ「宿」「家」「店」をテーマとした短編を集めた作品集です。私がまだ読んでいないこの種のシリーズとして,「若者」をテーマにした「菩提樹荘の殺人」がありますが,これはまだ読んでいません。
これら「テーマもの」短編集は,存在は知っていたもののしばらく手が出ない時期がありました。有栖川有栖の短編集は「マレー鉄道の謎」などの国名シリーズなどもあります。それら有栖川有栖の短編はかなり読んでいるので,これらテーマ物は過去の短編から夫々のテーマにあわせて選ばれたアンソロジーという気がしていたのです。それなら二重に読むことになる・・・・・。しかし違ったのですよね。テーマに沿って連作のように書き下ろされたのがこれら短編集でした。
これら短編集を読んで全体的な印象として言えるのは,磐石の本格推理小説である長編に対して,バリエーションの短編,ある意味実験場だという事です。有栖川有栖の長編では珍しいアリバイ崩しあり,ダイイングメッセージあり,火村準教授がとらえられ,毒薬を飲む事を強要され,どのようにそれに対処するかというサスペンス物あり,火村準教授ではなくワトソンである作家,有栖が謎を解く作品もあります。
短編といっても一冊に4編ほどの作品が入っているもので,中篇という長さの物がほとんどで,夫々に読み応えはありました。
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