英国のEU離脱国民投票
6月24に結果が判明した英国のEU離脱国民投票。離脱派が残留派を上回り,国民の意思が示されました。
ブログなどで英国のEU離脱が決まったかの様な表現が目立ちますが,実際のところ離脱が決まったわけでなく,法的拘束力の無い投票で国民の意思が示されたという事です。議会の承認も必要だし,これから2年間かけて,離脱の交渉に入ります。実際には5年,10年かかるかもしれず,ヨーロッパのみならず,世界的にもこれから長期間の不安定な時代が続くと思います。
その結果,EUからは離脱したものの,ほとんど残留と替わらない様な条約が英国とEUの間に取り交わされるかもしれません。そんな場合でも,おそらく他国から英国へ入る場合のビザの必要性など,簡単に移民が入れない様な状況にはなるでしょうね。EUに加盟している現在の英国民の一番の不満点は,そこのようですからね。
実際のところ,離脱派が約52%,残留派が約48%という得票数は,国民の意見をマクロ的に見れば,ほぼ離脱と残留が50%で拮抗しているという事ではないのでしょうか?
今回の投票で,離脱派が多数と見るのは間違いの様な気がします。もし二択ではなく,「わからない」とか「どちらでもいい」とか,第三の選択肢を含む三択だったらどうでしょう。離脱が過半数を得たかどうか疑問だと思います。また,二択だったとしても,同じ投票一週間おきに3回行うとしたらどうでしょう。3回のうち2回過半数を取った案を選択するというルールだとすれば,果たして離脱が選択されたでしょうか。
ただ,このような投票では,現状維持方向にバイアスがかかるものですが,それを押し返して離脱派の方が多少なりとも多かったというのは,はやりそちらの方向に勢いがあったという事なのでしょうね。
24日には,この国民投票結果を受けて,ポンドの暴落,円の急騰が起こり,7月に英国に行く予定の上の娘は,早速その日のうちにポンドを買った様です。一時200円/1ポンド近くであった為替レートに対し,娘は昨日140円/1ポンドでポンドを買いました。2012年,家族旅行で英国を訪れた時は,1ドルが70円台だった暗黒の円高時代で,ポンドも125円/1ポンド位でした。私たちの様な旅行者にとっては,暗黒どころが天国のようでしたが・・・。
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