スイスのベーシンクインカム国民投票
日本でもにわかに話題になっているベーシックインカム。なんら選別することなく,国民全てに一定の金額をいやおうもなく渡してしまう制度です。そのかわり,現在特定の人に対して支給またはサービスされている福祉は廃止となり,それがベーシックインカムの財源となります。また,国民全てにいやおうもなく一定金額を渡すので,現在福祉を受けるための審査や手続きの手間と人材が必要なくなり,その分の現在かかっている費用もベーシックインカムの財源となります。
6月5日に,スイスでベーシックインカム導入是非をめぐり,国民投票がありました。
結果としては8割が反対し,否決されました。しかしその投票率は46%で,国民の8割が反対したのかというと,そうでもないようです。それでも35%強が積極的に反対した事になりますね。
スイスのベーシックインカムは30万円程度を支給するとしていました。30万円は高いようですが,スイスの物価は日本の2倍程度といわれ,日本で言えば毎月15万円程度を支給されることになります。日本でも実施するとしたら,ベーシックインカムは13万円程度と考えられているようです。
しかしベーシックインカムを実施した場合,福祉がほとんどなくなることを考えねばならなりません。今の生活に15万円の収入がプラスされるわけではないのです。
今回のスイスの例では,ベーシックインカムの財政的な裏付けは示されていなかったようで,それではいくらなんでも賛成するわけには行かないでしょう。それに,廃止となる福祉と導入後にも残る福祉の開示もなされていないようで,全体的に準備不足,説明不足だったのかもしれません。
またスイスでは,国民だけでなく,外国人にも支給されるという事で,難民のスイス流入が懸念されるという事も反対が多かった理由かもしれません。
私はベーシックインカムについては,世の肯定論も否定論も半信半疑です。
よく言われるように,ベーシックインカム実施で労働意欲を削ぐかもしれないが,15万円の収入では不満な人がたくさんいるだろうし,私の様にそれだけのお金の基盤があるのなら,少し冒険して起業を考えようかという人もいるでしょう。
福祉が停止されて困る人もいるだろうが,生活保護世帯はこれをもらった上で,今はできない仕事が出来て,収入が増えるかもしれません。
正にプラスもあればマイナスもあり,個人個人でプラスマイナスは違う。だから勢い,ベーシックインカムはの話は各人のポジショントークになってかみ合いません。
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