八丁湖公園の黒岩横穴墓群
さて昨日,東武東上線高坂駅付近の日本セメント専用線について紹介しました。実はこの専用線跡を訪れたのは「ついで」であって,そもそもの目的は吉見町にある八丁湖に行く事でした。正確に言うと,八丁湖公園内にある黒岩横穴墓群というのを見に行ったのです。
埼玉県比企郡吉見町には,「吉見百穴」という有名な史跡があります。戦前はコビト人コロボックルの住居だといわれていて,やがて古墳時代後期の横穴式墳墓であるという事になりましたが,崖に沢山の穴を穿った光景は,一度見ると忘れられない奇観です。
そもそもそれは小学生の頃,学校の図書館で読んだ「日本の不思議」というような本(正確な題名は覚えていません)で読んで,載っていた写真の不思議な光景に,ぜひ見たいものだと思いました。高校生になって自由に出歩く事ができるようになって,吉見百穴へは早速行ってみました。
さて黒岩横穴墓群ですが,その存在を知ったのは最近の事です。吉見百穴と同様に,崖のほぼ垂直な斜面に,一説には500個以上の穴があって,その規模は吉見百穴以上だといわれています。しかしこちらは,学術的な調査がほとんど行われていないために,詳細は分かっていません。ちなみに吉見百穴は国指定の史跡,黒岩横穴墓群の方は県指定の史跡です。
さてその場所へ行ってみると,確かに穴が二つ三つ見えるのですが,木々で覆われていてよく見えません。冬ならばもう少し見えるのでしょうか?
穴のある崖の前には柵がありますが,思いのほか穴に近寄る事ができます。
戦時中飛行機部品の工場を作るために破壊されたりした吉見百穴よりも,この黒岩横穴墓群は保存状態がいい(なにしろ手付かずなのだから)そうで,そっとしておきたいですが学術研究は進めたほうがいいような気がします。
八丁湖公園は,灌漑用の池を囲む遊歩道を歩くと1.6kmあるそうですが,11月下旬になれば,紅葉が綺麗だと思います。その頃また訪れたいと思いました。そもそも,東松山,吉見町の辺りは,鉄道趣味的にも,歴史趣味的にも(各所に古墳がある),奇観趣味的にも興味深く,そういう意味でもまた訪れたいと思いました。
(写真はクリックすると拡大します。最後の写真には,黒岩横穴墓がいくつか映っているのですがわかるでしょうか? 木々が邪魔してはっきりしませんね。)
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