いじめっ子
文部科学省15年度問題行動調査で,2015年度に全国の小中高校などが認知したいじめが前年度比362,468件増の224,540件にのぼり,1985年度の調査開始以来最多となったという報道がありました。
昨今のいじめ自殺事件で,いじめをいじめと認知していなかった学校側の落ち度から,学校側関係者が処分される事例が増えて,これまでできるだけ「わが校にはいじめが無い」といいたかった学校側が,逆にいじめ認定ケースを増やしたという事もあるのでしょう。
虐める方の側の生徒というのは,親や家庭や環境に何かと不幸や闇をかかえている子が多いようです。
例えば,有名な大阪の私立大学付属高校の殺人事件。いじめられていた2名が,いじめた者を逆に襲ってハンマーで殴り最後は川に落として溺死させた事件ですが,殺害された高校生によるいじめが始まったのは,所属していた柔道部内での成績が芳しくなく,柔道部活動にも参加しなくなり,それがきっかけでこれまで仲が良かった同級生の2人を執拗にいじめるようになったといわれています。
川崎の多摩川河原中一生殺害事件では,主犯の18歳少年はハーフという事で中学生時代いじめにあい,高校を中退して仕事もせずに居場所が無い状態で,切れやすい(といいう事は気持ちに余裕のない状態)だったといわれています。
この8月に東松山市の都幾川河原で16歳の少年が殺害された事件では,パシリや万引きをさせられていた仲間の16歳の少年が,このグループを離れようとして嘘をついたことから,主犯の16歳,17歳の少年が激高して犯行に及んだという事件。
川崎の事件も,東松山の事件も,犯行を行った少年達に離婚や再婚にからむ複雑な家庭事情が存在しており,仲間であったはずの被害者に暴行をはじめたら押さえがきかなくなって死亡させてしまったという事情です。
闇を抱えた不幸な子ども達の多い世の中です。
(写真は,フリー社新素材サイト「足成」より。)
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