世界初の「ブロックチェーン導入政府」ジョージア 利用拡大を宣言
ネット上に「世界初のブロックチェーン導入政府 ジョージア」という記事が載っていました。
ジョージアとは,アメリカジョージア州の事ではありません。グルジアと呼ばれていた旧ソ連から独立した国家の事です。
まあこれだけの記事では,どのようにブロックチェーン技術を使うのかよくわかりません。おそらくプライベートブロックチェーンというものだと思います。
プライベートブロックチェーンは,ビットコインの中核技術である元祖ブロックチェーンとは別物です。いわゆる所有権利の移転を記録した台帳は,複数で分散して持つという所は同じとしても,その管理方法が違う物です。
プライベートブロックチェーンといえば,ビットコインのような計算競争システム(Proof of work)ではなく,マイナー=承認者を少数に限って,さらに個々のマイナーに何らかの優先度をつけて(これって,承認者に役職に似たレベルをつけることではないですか?)承認時間(ブロックチェーンへの新台帳の追加時間)を短くするという方法をとるのではないかと思います。
つまりプライベートブロックチェーンは,ビットコインの元祖ブロックチェーンが,管理者が居らず,自立的に仕事をするシステムで,オープンでパブリックなものであるのに対して,管理者が居り,新しい取引をブロックチェーンに追加するときのminer=承認者はオープンでなく数人に限定されており,しかもそのマイナーにレベル付けをして承認作業の短時間化を図るシステムです。まあ,プライベートブロックチェーンは色々なシステムがあるので,一概には言えませんが,オープンでパブリックなシステムに近づく程新しい取引のブロックチェーンへの追加に時間がかかるというものです。
そのようなシステムに国の重要な台帳類を管理を託して,一人あるいは数人の管理者によるこれまでの台帳管理よりそのような分散管理が本当に有効かつ安全なのか,疑問に思っています。
プライベートブロックチェーンは,元祖ブロックチェーンとは別物なのに,「ブロックチェーン」という言葉に惑わされ易く,それだけで改ざんされ難いというイメージができあがります。本来,別の名前で呼ばれるべきものでしょう。
このジョージアのシステム,ある日改ざんされて終わるという事のない様,願います。
(写真は,フリー写真素材サイト「足成」より。)
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