ドラマ「貴族探偵」って,おもしろくありませんか?
フジテレビの月9ドラマ「貴族探偵」。視聴率はせいぜい多くても8%程度で,不調フジのドラマの象徴の様になっているようです。
麻耶雄嵩の「貴族探偵」については,以前このブログにも書いた事がありますが,おもしろい本格推理小説短編集です。ドラマの様な女探偵が出てくるのは,第二短編集「貴族探偵対女探偵」です。「貴族探偵」は「本格ミステリ・ベスト10」の2011年の第6位,「貴族探偵対女探偵」は2014年の第1位の作品です。
さて不振だと言いわれるこのドラマですが,私は世論に逆らってwww,面白く見ています。原作のままでは貴族探偵に出番がなく,せっかく嵐の相葉雅紀がでているのに活躍の場がないので,ドラマでは大分貴族探偵の役を盛っているようです。それがドラマ性を薄くしており,ミステリードラマとしては貴族探偵登場場面が余計だと思う事もあるのですが,それでも全体的には程々に上手く盛っていると思います。
演技がどうのこうのという話が巷にはありますが,この役,相葉雅紀だから保っているというところがあります。演技が必要なのではなく,スター性が必要な役なのです。まあ,ミステリー好きの知人(おじさんとおばさん達ですが)の間では,松本潤の方がよかったのではないかという話もありますが・・・。私は相葉雅紀の貴族探偵は,なかなか雰囲気が出ていていいと思います。
他の出演者については芸達者が多く,推理過程での雇い人による再現ドラマはさすがです。本格推理小説の種明かしをこのような形で見せるというのは,なかなかの発明だと思います。
原作者麻耶雄嵩は,自分では推理しない探偵を水戸黄門から思いついたそうですが,水戸黄門も活躍は家来の方ですからね。そのつもりで見ると,このドラマの見方も変わるでしょう。
ところでこのドラマ,8%程度の視聴率なのですが,この視聴率って悪いのですかね。相葉雅紀の前作ミステリードラマ「三毛猫ホームズ」は2作品が作られてどちらも十数%の視聴率の成功作ですが,私はむしろ貴族探偵の方が面白いと思います。
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