今更ながら,「シャーロック・ホームズの事件簿」
先週書いた様にkoboを買ったので,「シャーロック・ホームズの事件簿」を仕入れました。
この短編集は,コナン・ドイル著,シャーロック・ホームズの最後の短編集です。この短編集は,第5短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」の「最後の挨拶」でホームズの引退を描いた後,さらに発表された短編を12編集めた第5短編集となります。
いつものワトソン博士の語りではなく,ホームズ自身が語った作品,第三者目線で記述された作品など,異例の作品も含まれています。
この短編集,以前読んだ印象では,推理小説としてはトリック型というよりプロット型で,読者はホームズになじんでいるという前提で彼の活躍を描いているという印象だったのですが,それでも事件の経緯に謎があり,どの作品も思いのほか面白いものでした。中には,第1短編集「シャーロック・ホームズの冒険」に収められても違和感ないトリッキーな,「ソア橋」事件も含まれています。
この短編集は創元推理文庫で長らく発売されていませんでした。そのために,私にとって継子扱い的な本になっていて,読んだのも他の短編集が中高生の頃であったのに対して,ずいぶん後になってからでした。読んだ時代(世代)が異なる事から,本の印象が他の短編集とはずいぶん違っていて,それほど面白いという印象はなかったのです。しかし今回それほど期待せずに再読して,他の短編集と同じくらい面白いじゃないかという印象に変わったのが,今回の再読の成果です。
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