「こんな人たち」発言問題
東京都議選の前日に飛び出した安倍首相の「こんな人たち」発言。
秋葉原で安倍首相が選挙演説を行おうとした時に,「帰れ」コールを行った小集団がおり,それに対して「こんな人たちに私は負けるわけにはいかない」と発言したものです。
このようなヤジやデモというのは,ネットでの発言と同じで,ほんの一部の人達の発言・行動であるにもかかわらず,マスコミなどでは大きく取り上げられがちで,私はいつも眉に唾をつけて見ています。ヘイトデモというのもあるわけですが,そんな派手なデモを見て「ヘイト」を皆が支持しているとは思わないでしょう。
今回のヤジでは横断幕も用意され,ヤジ自体が事前に用意されていたわけで,聴衆のなかから自然にわき起こったものではなく,その意味で「こんな人たち」というのは正しいのです。ルーマニアでチャウシェスク独裁政権が倒れたときの,大統領演説時の国民からわき起こった「ヤメろ」コールとは本質的に違うものです。
しかしまあ,政治家が「こんな人たち」という発言をした時にその影響を忖度しないというのは,やはり奢りと言われても仕方ないのかも知れません。
上にリンクした新聞記事に示されている様に,自民党内でこの発言に対して苦言が相次いでいるというのはいたって正常な反応で,やっと自民党も正常な反応ができるようになったと喜ぶべきでしょう。安倍一強であったのに安倍首相に意見する雰囲気に変わってきたという事です。
東京都では自民党都連以外の受け皿ができて地殻変動が起こりました。国政ではいまのところ都政のような自民党以外の受け皿ができていません。既成政党は全く受け皿にはなりません。小池氏の「都ファ」が国政に進出するかどうかも分かりません。小池氏と安倍首相は,結構仲よさそうですからね。それで,自民党内で以前の様にリベラルから保守まで様々な性格の派閥が活性化すれば,自民党内に受け皿ができる可能性もあります。
(イラストは,フリーイラスト素材サイト「いらすとや」より。)
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