東川篤哉の「純喫茶『一服堂』の四季」
東川篤哉の「純喫茶『一服堂』の四季」を読みました。4つの短編から成る短編集です。春,夏,秋,冬という四季に起こったそれぞれの事件を描いています。
登場人物は講談社ならぬ放談社の「週刊現代」ならぬ「週刊未来」の記者の村崎連司,ガソリンスタンド勤務の天童美幸,横須賀署の美人刑事の夕月茜,そして鎌倉の路地裏にある純喫茶「一服堂」の店主,安楽椅子(あんらくよりこ)。その椅子(くどい様ですがよりこと読む)が関係者の話を聞いて,事件を推理する。その際の反応がおかしい。極度の人見知りで,初めての客が入ってきた時は後ろを向いて対応するのに,推理を披露する時はまずカップやコップを落として割り,強気にまくしたてるという豹変。まあ犯人は椅子以外の常連の間で全く話に上らない人物と決まっていて,誰だか推測がつきます。
4話のラスト,「冬」の巻はちょっとした趣向がありますが,それは読んでのお楽しみ。
この作品,春夏秋冬で完結しているのと,「冬」の巻の趣向により,これ一冊で終わりかな。悪い終わり方ではありません。
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