打木村治の「天の園」第一巻を読みました
先日から紹介している打木村治の「天の園」も,4巻から読み出して5巻,6巻と進み,後戻りして第1巻を読みました。第1巻は作者,打木村治を反映している主人公,河北保の尋常小学校入学前から話をはじめ,1年生になって,その1年間を描く物語です。
官吏であった父が病気になり,その養生のために母の故郷である唐子村に引っ越してきた保の一家。しかし間もなく父が亡くなり,さらに唐子村にジフテリアが流行し,次々に村の人々が倒れていきます。保の兄と弟,さらに保自身,そして母が,また母の兄宅,馬橋本家の三兄弟が罹患し,保と母,本家の三兄弟は回復しますが保の兄と弟が亡くなってしまいます。そんなこんなで,第一巻はなかなか重い話が続きます。
重い話も比較的さらっと描かれているのですが,それでも第1巻から読み始めた方は挫折してしまうかもしれません。多分この児童文学は,私の様に4巻,5巻から読み始めるのが正解だと思います。4巻,5巻は,子ども達の生き生きとした生活が描かれていて,読みやすいです。
さて,先日紹介しなかった写真を貼っておきます。写真の最初の2枚は唐子神社です。「天の園」ではこの神社が諏訪社として度々登場しています。祭礼や村芝居の舞台としてが描かれているのです。
次の三枚は若宮八幡神社。保がこの穴に案内し,村人に嫌われた乞食が住み,保がその乞食を追い出した後に,村人に慕われた乞食のアイさんが住んだ八幡塚の八幡穴です。塚は三世紀から七世紀に作られた古墳で,その頂上に社殿が作られています。この三枚の最初の写真が若宮八幡神社の正面。この向って左へ回ると,二枚目,三枚目の穴があります。
最後の縦長の写真は,八幡神社の前にあった「天の園文学散歩コース」の標識。唐子地区のあちこちに設置されています。
そういえば,保の同級生,小森ふゆ子の住む青城が原,これは第1巻の冒頭に描かれた地図を見ても青鳥が原の事でしょうが,そこへも行くのを忘れました。
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