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2018/05/31

乾くるみの「物件探偵」

Bukken_tantei

 乾くるみの短編集,「物件探偵」は,登場人物がマンションやアパートを借りたり買ったりするところから始まります。その物件に関して何らかの事件が起り,不動尊子が登場し,不動尊子が解決する。不動尊子は以前不動産会社に勤め宅地建物取引主任者の資格を持っている女性で,物件の気持ちが分かる様になったと言っている人です。
 幽霊物件の事件はあるだろうと思っていましたが,この短編集の最終編がそれでした。池袋にある7階と8階の2フロアを使ったメゾネットタイプのマンションの部屋。そこでは前の住人が自殺した部屋でした。それを気にしない男性がこの部屋を買いましたが,鍵がかかって他人が入れるはずのない部屋で肉が腐った様な匂いがしたり,前の住人が首つりしたであろう階段の手すりに縄目模様が浮き出ていたという怪異がありました。そこに不動尊子が現れ,この部屋と男性の相性は抜群にいいと話し,事件の謎を解いていく。
 こんな具合に展開する短編集です。不動産がらみの事件を解決する話で,殺人や強盗事件などではなく,緩い括りで言って詐欺事件を主体とした話が展開する短編集です。

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