トークンエコノミー
最近,仮想通貨との関連から,トークンエコノミーという言葉を聞く様になりました。トークンエコノミーとは,トークンという貨幣の代わりになる価値のあるもの,「代替貨幣」を用いた経済の事で,より狭い意味として,既存通貨の経済では評価できない価値に対してトークンという代替貨幣を発行して,その価値を売買することによって新たにできる経済の事という事を言う方もいます。
プロ野球オーナズリーグとか,遊戯王とか,マジックザギャザリングとか,カードゲーム,トレーディングカードゲームというものが世の中にはあります。
このカードは,ゲーム上の働きが目覚ましいとか,絵柄がかっこいいとか,世の中にあまり流通していないとか,発行枚数が少ないとかの理由で,高価で取引されることがあります。ゲーム会社やおもちゃ会社が1枚100円以下で発売しているカードが,数万円で取引されることもザラだし,そういう交換市場もできています。
そういうのもトークンの一種ですよね。本来価格の安いものが,一部の市場ではとても高い値段で取引され,その市場だけで通用する価値を持つ。
トレーディングカードはそれ自体が価値を持っていて,既存通貨で取引されるのが普通ですが,友人の間では円を介さず,「お前のそのカード,俺のこのカードセット全部と交換してくれないか?」などと,既存通貨を介さないで売買されることもあります。もしそこで円ではなく,そのカード取引にだけ使う遊戯王円天(笑笑)のような単位のお金的なものがあったら,それがトークンというわけですね。
ネット上に「日本政府は“トークンエコノミー”を理解できていない」という記事がありました。
トークンに政府が感心を持つかどうかというのは,その広がりがどの程度なのかということに関わるでしょうね。トレーディングカードで例えれば,カード好きのグループだけで通用しているのか,ある地域だけで通用しているのか(地域通貨),日本全国で通用しているのか,世界的に通用するのか(仮想通貨? ちなみに,トレーディングカードの多くは,世界的な広がりがあります。遊戯王カードなど,日本製は精度が高く,外国製は精度が低く,日本製のカードが高価で取引されているのだとか)。
日本全国で一億人程度の間で通用するということになると,国も気にせざるを得なくなるでしょうが,今現在仮想通貨でさえ,使用人口的に日本の経済を云々する程の広がりはなく(しかも日本では,強い円のおかげで仮想通貨は投機用でしかない),まだ政府の認識がどうのこうのいう段階ではないでしょう。
当面国がトークンを発行するわけではないので,政府の認識が深く及ぶ事がないのは仕方ないでしょうね。トークンが国の経済に大きく関わってきた段階で,それをどう制御していくかが国の役割になります。
まあ今のうちに,大臣には遊戯王カードで遊んでもらって,勉強してもらいましょうwww。
ちなみに,バンダイナムコのカード工場を見学したことのある知人は,次々に刷りあがるカードを見て,「日銀の印刷局と同じなんだ」と思ったそうです。
(写真は,アマゾンのホームページより。)
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