「ベーシックインカムは幻想だ」という記事
「ベーシックインカムなんて幻想でしかない」という記事がありました。あまりよくわからない記事で,BI以外に何かやることがあるだろうという話のようですが,なぜBI以外の施策を考えるべきなのか,あまりはっきりしません。BIは多くの資金が必要だということのようです。
しかしここで述べているような政府や企業ができるBI以外の貧困対策,生活に必要な経費に満たない低賃金を埋め合わせる手段として,政府による最低賃金の見直しとか,イケアによる生活賃金を支払うという施策は,それもまた莫大なお金がかかる施策です。BIと追っつかっつの幻想的な施策でしかないでしょう。イケア以外にそれができる企業なんて,世界にいくつあるだろうか?
BIはAIと対の施策です。
BIの資金なんて,AI導入で人を雇う必要がなくなった企業から,そのための儲けの分を吐き出させて作るのです。企業は社員に払う3倍のお金を正規社員には掛けています。給料の3倍のお金が企業の利益になるのです。今までと同じようにモノやサービスが売れていれば。
お金がない人が大勢生まれた世界は,モノやサービスの売れない世界ですから,人を雇わないために利益が増大した企業は,モノやサービスを売るためにお金を拠出せざるを得ないでしょう。
世界各地でBIの実験が行われていますが,AIを伴わない,労働構造が変わっていない世界での実験は無意味です。そんな実験を横目で見ながら書いた議論も記事もまた,無意味です。
BIは全世帯一括に同じ金額を支給する制度です。BIと同じく生活賃金を支払う施策でも,イケアのようにこの人にはいくら,あの人にはいくらというその人の生活賃金を支払うには,個人個人の生活賃金を検証しなければならないし,支払うにしても,事務手続きが煩雑すぎます。それよりBIの方が合理的ではありませんか?
政府が勝手に最低賃金アップを決めてどうするのでしょう。それに見合う賃金が払えない企業は,国外にでも脱出しろというのでしょうか?
(写真は,アマゾン書店のホームページより。)
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