三津田信三「凶鳥の如き忌むもの」,刀城言耶シリーズ第2作
刀城言耶シリーズの第2長編である「凶鳥の如き忌むもの」。時は昭和30年頃,楫取(かじとり)郡潮鳥(しおとり)町にある兜離の浦(とりのうら)という集落。取材のためにそこを訪れた刀城言耶は,郷土史家の町長から話を聞いているうちに,18年ぶりに近々行われる鵺敷神社に伝わる秘儀「鳥人の儀」に立会って欲しいという依頼を受ける。
これは,兜離の浦の沖合いに浮かぶ絶海の孤島,鳥坏島の鵺敷神社に伝わる儀式です。18年前,当時の巫女である朱名によって儀式が執り行われたとき,逃げ場がないはずの断崖絶壁の拝殿から,朱名と6人の立会人が忽然と消えてしまい,朱名の6歳の娘,朱音のみが道具倉庫に監禁された状態で見つかるという事件が起きました。
そんなことが過去にあったため,何かと周囲の人々が心穏やかでない状況下で行なわれた今回の鳥人の儀,巫女として成長した朱音と刀城言耶を含めて7人の立会人が鳥坏島に渡ります。
そこで起こった消失事件。朱音,さらに3名の立会人が姿を消してしまいました。
鳥人の儀とは何なのか,18年前の,さらに今回の消失事件の謎は?
最初から鳥に彩られたミステリー,文中早くから出てくるチベットという言葉,そうなってくると,多分「アレ」ではないかと思うわけですが,やはり「アレ」でした。
この作品,先日紹介した第三作「首無の如き祟るもの」の複雑さはなく,第一作「厭魅の如き憑くもの」の驚きもないという作品になってしまいました。ちょっと残念。
Kindleも持っているものの,以前このブログで紹介したいくつかの利点がある為に,電子書籍をKOBO端末で読みました。これまで,刀城言耶シリーズ第一作,第三作,第二作と読んできましたが,楽天KOBOから,「次は山魔の如き嗤うものをお読みください。」というメールが届きました。実際のところ、メールが来るまでもなく,すでに第四作「山魔の如き嗤うもの」はKOBOで購入済みです。
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