Jasracがブロックチェーンで権利を管理
Jasracが,楽曲の利用・徴収・分配履歴をブロックチェーンで管理し,音楽著作権使用料の流れの透明性を高めると発表しました。2020年に実現をめざし,実験を続けている様です。ネット上に記事がありました。
ブロックチェーンは,最低限次の3点が示されていなければ,ほとんど何もわかりません。
1.誰がマイニングするのか→パブリックブロックチェーンなのかプライベートブロックチェーンなのか
2.マイナーは何人なのか→大規模ブロックチェーンか小規模か→改竄が容易かどうか
3.マイニングの報酬は何で払うのか?→既存通貨で払うとなると,とんでもない高額のシステムになる可能性がある
「透明性を」と言っていますが,「マイナーはJasracの職員だけ5名です」などということになると,台帳が職員5名に分散しているだけで,従来の集中型台帳方式と何ら変わらず,透明性などありません。
著作権者すべてがマイナーになるのならば,なかなか素晴らしいかもしれませんが,多忙なミュージシャンがマイニングなどしますかね? 所属事務所の仕事になるのか? マネージャーの仕事になるのか? まさかパブリック?
従来の集中型台帳だって,著作権者のデータ閲覧をある程度の深さまで認めることによって,「透明性」は確保されます。ブロックチェーンを使う意味というのが,あるのかどうか。「透明性」の象徴として引っ張りだされたのかなという気もしてきます。
まあブロックチェーンといっても,限りなく集中型に近い,管理されたプライベートブロックチェーンになるんでしょうね。ゆめゆめ,ビットコインを頭に想い描いてはいけません。
| 固定リンク
コメント